通信衛星

このため地上からアップリンクされた電波信号を衛星で受信して電力増幅し、高利得のアンテナにより地上に向けて送信する(ダウンリンク)能動型衛星の開発が行われた。

テルスター衛星は初めての能動型通信衛星である。ベル研究所で開発されたCバンドのトランスポンダを装備していた。この際のアップリンク6GHz帯、ダウンリンク4GHz帯という周波数の組み合わせはその後広く通信衛星で用いられるものとなった。この衛星は1962年7月10日、NASAによりケープカナベラル宇宙基地から初の民間企業がスポンサーとなって打ち上げられた。テルスター衛星は2時間37分で周回する、軌道傾斜角45度の楕円軌道(遠地点 約5,600km、近地点 約950km)に投入された。テルスターはAT&Tに所属するがこれはAT&T、ベル研究所、アメリカ航空宇宙局、イギリス郵政省、フランス郵政省間の衛星通信技術を開発するための多国間合意によるものである。

その後、トランスポンダの数や帯域を増やし送信電力も高めたリレー1号衛星も1962年12月13日に打ち上げられた。このリレー1号を用いて1963年11月23日に行われていた初の日米間テレビ伝送実験中にジョン・F・ケネディ米国大統領の暗殺事件が報道され、その映像は当時のテレビ視聴者に強い印象を与えた。